ただちに影響はない

2ヶ月が過ぎた。どうやら当初に思っていた事態よりはるかに悪い現状のようである。正直なところ関東はいごこちがよくない。いったいどれくらいの放射線にさらされているのか、土壌は大丈夫なのか、水は大丈夫なのか…キリがない。こんなにいい陽気になっても気分は一向に晴れない。海に近づいて大丈夫だろうか、海岸に出て大丈夫だろうか…ま、私らは年齢的にももういいのだけれど、若い人たちは大丈夫なのだろうか。

当局はパニックを恐れたために原発近隣への避難指示が遅れたといっている。たぶん一番恐れたのは首都圏のパニックだったんだろう。また、安全基準がなし崩しに引き下げられて行く様を見ていると、この国の官僚はホントに腐ってると思う。戦前戦中となにも変わってないんだこの国の中枢は。
チェルノブイリ事故を見て、当時のソ連政府の対応、情報隠し等々、ひどいんだなと思っていた。日本だってたいして変わらなことが良くわかった。ソ連、ロシア、中国、北朝鮮などの体制はひどいもんだと思ってたけど、この国もたいしてかわらない。国民を守ることより、体制を守ることのほうが重要だと考える人たちが行政の中枢の大多数なんだろう。よらしむべし、しらしむべからず。

一方、原発事故から時間が経ち地震当初の状況分析がなされるようになってきた。どうやら津波だけにやられたという説は嘘だったようで、地震でかなりダメージを受けていたらしい。専門家によると、「本気で」全電源喪失になるなんてことを考えていなかった、ことが事態を最悪化させてしまった、らしい。あんなに大きくて危険なプラントを動かしているのに。たった、何gあるいは、1kg程度の放射性物質を放出しただけでこんな騒ぎになるのに。

この国のインテリは全く当てにならない。当たり前か。
わかっていたはずなのに、どこかで信じていた自分が呪わしい。

パニックを恐れるという意味では、複数の原発になにかあったら日本国中逃げる場所なんかないというのが今回わかったではないか。そうなったら国の中枢部は直ちに健康に影響はありません、と言い残して国外へでも行っちゃうんでしょ。

おそらく、原発推進(維持)も反原発(脱原発)もどちらも「正しい」のだ。けれど、私は、もう原発は御免だ。もう少し貧しくてもいいから、安心して次の世代に引き渡せる世の中を選びたい。